最終更新日 2025年2月27日 by sangaku
◆油田から掘り出された原油には様々な成分がっ含まれている
冬になると多くの家に登場するストーブ、しかしご存じの通りストーブの燃料として給油するのは灯油です。
では、なぜ灯油ストーブと呼ばないのかと疑問に感じた方も少なくないでしょう。
より安全で快適な暮らしを実現させるためには、私たちの生活から切り離すことのできない石油について、正しい理解を得ておくことがどうしても必要だと思います。
辞書によると、種々の炭化水素の混合物が主成分となって精製された液状の物質と定義されていますが、もっと分かりやすく言うと、油田などから掘り出された原油を精製したものと言えるでしょう。
実際、その中には様々な成分が含まれているため、そのままの状態では使いにくいというのが実情です。
そのため蒸留といった過程により、成分を分離させてから使用するのが一般的であるとされています。
そのようにして精製された石油から、分離させて作り出されたものの中に灯油やガソリンがあるというわけです。
少しばかり詳しく説明してみましたが、一言で言うならば、灯油やガソリン、重油や軽油などの全ては石油から作られるということです。
興味深いことに、燃料として灯油を給油しているのに、灯油ストーブと呼ばれないことにはもっともな理由があります。
この答えをきちんと理解していれば、うっかりして燃料の選択を間違ってしまうといったことはないでしょう。
◆石油を原料とした製品化の原理
長岡石油などが販売するストーブが普及する前までは、一般に使われていたのは石炭ストーブだったようです。
石炭と言えば固形燃料になりますが、その後液体燃料に移行するようになった時点で、固形燃料と液体燃料の違いが大きな注目を浴び、現在のような言い方になったというわけです。
いずれにしても、現在のストーブとは石油から作られた製品の一つである灯油を使用するストーブであり、給油時には間違って灯油以外のものを入れないよう十分注意することができます。
こうして考えてきましたように、私たちの生活は石油もしくはそれから作り出される様々な製品と、切っても切れない密接な関係にあると言っても過言ではありません。
ここで生じる疑問の一つが、一体どのようにして製品化されるのかということです。
基本的に言って、まず油田に地下深くまで井戸を掘り、その井戸から採取することになっているため、非常に大変な作業になります。
こうして掘り出したばかりの時は、ドロドロした黒色の液体で、なおかつ非常に強い臭いがあると言われています。
実はこの段階では、ガスを始めとして水や砂、泥、塩、また各種金属類といった様々な不純物が含まれているため、そのまま使用することはできません。
面倒な作業となるかもしれませんが、まずはこれらの不純物をきれいに取り除く必要があり、そのようにして不純物を取り除いたものが原油となります。
その後原油を温めて蒸発させていきますが、ここで注意しておきたいのは、沸点の高さによって様々な製品になるということです。
一般に、原油を温めていくと沸点の低い順に蒸発していくというのは容易に想像がつくでしょう。
そのような蒸発物を抽出して冷やしたものが様々な製品になっていくというわけです。
◆石油を原料とした製品のの使用上の注意
例えば、最も沸点の低いものはLPガスであり、その次にガソリン、灯油、軽油、重油といった順に続いていきます。
このようにして作られた製品の使い道も実に様々ですから、間違えないよう注意深く用途に沿って使用したいと思います。
まずは灯油ですが、これは一般の家庭でよく使われるストーブやファンヒーターといった暖房器具の燃料として使用されています。
ガソリンは、ご存じのように自動車やバイクなどの燃料として使われるのが一般的です。
もちろん、最近では電気で走行する自動車なども普及され始めてきましたが、以前として主流はガソリンでしょう。
さらに、ガソリンスタンドへ行くとよく見かけるようになったものにハイオクガソリンがあります。
レギュラーガソリンよりもやや高い値段のするハイオクガソリンには多くの利点があり、パワーを必要とする大型自動車などの燃料に使うことができます。
他にも、ディーゼルエンジンを積んでいるバスや大型トラックなどの燃料となる軽油がありますが、これは一長一短とも言われています。
1リットル当たりの発熱量がガソリンよりも多く、税金が安いといった長所がある反面、黒い排気ガスを出すため大気を汚染するという短所もあるというわけです。
これら以外にも重油と呼ばれるものがありますが、重油は船のエンジンや工場のボイラー、さらにはビルなどに備え付けられた大規模な暖房設備の燃料として使用されています。
こうして石油から作られる様々な製品について詳しく取り上げてきましたが、これらの燃料は引火性があるため、取り扱う際には十分の注意が必要です。
加えて、灯油を入れるべきストーブにガソリンを入れてしまうといった間違った使い方をしないよう細心の注意を払って安全に使用したいものです。